戦争終結ニ至ル経緯竝ニ施政方針演説
東久邇宮稔彦
1945年9月5日
稔彦、先に組閣の大命を拝し、国家非常の秋に方り重責を負うことになりました、真に恐懼感激に堪えませぬ。
茲に第八十八回帝国議会に臨み、諸君に相見え、今次終戦に至る経緯の概要を述べまして、現下困難なる時局に処する政府の所信を披瀝しますことは、私の最も厳粛なる責務であると考えます、畏くも 天皇陛下に於かせられましては、昨日開院式に親臨あらせられ、特に優渥なる勅語を賜わりました、洵に恐懼感激に堪えませぬ、私は諸君と共に有難き 御聖旨を奉体し、帝国の直面する現下の難局を克服し、総力を将来の建設に傾け、以て 聖慮を安んじ奉らんと存ずるのであります。
諸君、先に畏くも大詔を拝し、帝国は米英ソ支四国の共同宣言を受諾し、大東亜戦争は茲に非常の措置を以て其の局を結ぶこととなりました、征戦四年、顧みて萬感交〃至るを禁じ得ませぬ、併しながら既に大詔は下ったのであります、我々臣子と致しましては飽くまでも承詔必謹、大詔の御精神の御諭しを体し、大御心に副い奉り、聊かも之に外れることなく、挙国一家、整斎たる秩序の下に新たなる事態に処し、大道を誤ることなき努力に生きなければならないと思います。
此の度の終戦は一に有難き御仁慈の大御心に出でたるものであります、至尊御自ら祖宗の神霊の前に謝し給い、萬民を困苦より救い、萬世の為に太平を開かせ給うたのであります、臣子として、宏大無辺の大御心の有難さに、是程の感激を覚えたことはないのであります、我々は唯々感涙に咽びますると共に、斯くも深く宸襟を悩まし奉りましたことに対し、深く御詫びを申上ぐる次第であります。
恭しく惟いまするに、世界の平和と東亜の安定を念い、萬邦共栄を冀うは、肇国以来帝国が以て不変の国是とする所、又固より常に大御心の存する所であります、世界の国家民族が、相互いに尊敬と理解を念として、相和し、相携えて其の文化を交流し、経済の交通を敦くし、萬邦共栄、相互いに相親しみ、人類の康福を増進し、益〃文化を高め、以て世界の平和と進運に貢献することこそ、歴代の 天皇が深く念とせられた所であります、洵に畏き極みでありますが、天皇陛下に於かせられましては、大東亜戦争勃発前、我が国が和戦を決すべき重大なる御前会議が開かれました時に、世界の大国たる我が国と米英とが、戦端を開くが如きこととなりましたならば、世界人類の蒙るべき破壊と混乱は測るべからざるものがあり、世界人類の不幸之に過ぐることなきことを痛く御軫念あらせられまして、御自ら 明治天皇の「よもの海みなはらからと思ふ世になと波風のたちさわくらむ」との御製を高らかに御詠み遊ばされ、如何にしても我が国と米英両国との間に蟠まる誤解を一掃し、戦争の危機を克服して、世界人類の平和を維持せられることを冀はれ、政府に対し、百方手段を盡くして交渉を円満に纏めるようにとのご鞭撻を賜わり、参列の諸員一同、宏大無辺の大御心に、粛然として襟を正したと云うことを漏れ承って居ります、此の大御心は、開戦後と雖も終始変らせらるヽことなく、世界平和の確立に対し、常に海の如く広く深き 聖慮を傾けさせられたのであります、此の度新たなる事態の出現に依り、不幸我が国は非常の措置を以て、大東亜戦争の局を結ぶこととなったのでありますが、是れ亦全く世界の平和の上に深く大御心を留めさせ給う御仁慈の思召に出でたるものに外なりませぬ。
至尊の聖明を以てさえも尚お今日の非局を招来し、斯くも深く宸襟を悩まし奉りましたことは、臣子として洵に申訳のないことでありまして、民草の上を是程までに御軫念あらせらるヽ、大御心に対し、我々国民は御仁慈の程を深く胆に銘じて自粛自省しなければならないと思います。
敗戦の因って来る所は固より一にして止まりませぬ、前線も銃後も、軍も官も民も総て、国民悉く静かに反省する所がなければなりませぬ、我々は今こそ総懺悔し、神の御前に一切の邪心を洗い浄め、過去を以て将来の誡めとなし、心を新たにして、戦いの日にも増したる挙国一家、相援け相携えて各〃其の本分に最善を竭し、来るべき苦難の途を踏み越えて、帝国将来の進運を開くべきであります。
征戦四年、忠勇なる陸海の精強は、冱寒を凌ぎ、炎熱を冒し、具さに辛苦を嘗めて勇戦敢闘し、官吏は寝食を忘れて其の職務に盡瘁し、銃後国民は協心戮力、一意戦力増強の職域に挺身し、挙国一体、皇国は其の総力を挙げて戦争目的の完遂に傾けて参りました、固より其の方法に於て過ちを犯し、適切を欠いたものも少くありませぬ、其の努力に於て悉く適当であったとは言い得ざる憾みもあります、併しながら凡ゆる困苦欠乏に耐えて参りました一億国民の此の敢闘の意力、此の盡忠の精神こそは、仮令戦いに敗れたりとは言え永く記憶せらるべき民族の底力であります。
然るにガダルカナル島よりの後退以来、戦勢は必ずしも好転せず、殊にマリアナ諸島の喪失以降、連合国軍の進攻は頓に其の速度を加うると共に、我が本土に対する空襲は次第に激化し、其の惨害は日を逐うて増大して来ました、既に海上輸送力の低下に依って相当の影響を受けて居りました軍需生産は、斯くの如き戦局の、一段の急迫と共に、本年の春頃よりは愈〃至難を加え、一方戦争の長期化に伴う民力の疲弊亦漸く顕著ならんとし、終戦前の状況に於きましては、近代戦の長期維持は逐次困難を加え、憂慮すべき状況になったのであります、茲に其の概要を述べますれば、即ち本年五月頃の状況に於きまして、汽船輸送力は、船舶喪失量の増大と、数次に亙る船腹の南方抽出等に依りまして、開戦当初の使用船腹の概ね四分の一程度を保持するに過ぎませぬでした、而も液体燃料の不足と、連合国軍の妨害激化等に依りまして、運航能率は著しく阻碍せられ、殊に沖縄戦の終末以来、連合国軍航空機の威力の増大に伴い大陸との交通すらも至難の状態となり、一方機帆船の輸送力も燃料不足と連合国軍の妨害に因って急激に減少し、新船の建造及び損傷船舶の補修亦意の如く進捗せず、海上輸送力の斯くの如き機能の低下は、戦力の維持に甚大なる影響を與うるに至りました。
鉄道輸送力の方面に於きましても、車両、施設等の疲弊に加えて、相次ぐ空襲に依り逐次に其の機能を低下し、動もすれば一貫性を失う傾向すらありまして、全体としての輸送力は本年中期以降に於きましては昨年度に比し、各般の努力に拘らず尚お二分の一以下に低減するを免れないものと予想せらるヽに至りました。
斯くの如き輸送力の激減に伴いまして、石炭其の他工業基礎原料資材の供給は著しく円滑を欠くのみならず、南方還送物資の取得も殆ど不可能となり、之に加えて空襲に依る生産施設の被害の増大と作業能率の低下は、各産業に深刻なる影響を與え、工業生産は全面的に下向の一途を辿り、軍官民の努力にも拘らず是が速かなる改善は望み難き状況となったのであります
鉄鋼の生産は開戦当初に比し約四分の一以下に低下し、鉄鋼に依存する鋼船の新造補給も爾後多くを期待し得ざる状況となりました、又所在資材の活用戦力化も、小運送力の低下、配炭の不円滑等の事情に依り、減退の一路を辿るようになりました。
石炭に付きましても、出炭実績は益〃悪化するに加えて、陸海輸送力の大幅低下に依り、供給は逐次減少し、是が為め中枢地帯の工業生産は全面的に下向き、本年中期以降是等の地帯に於きましては相当部分運転休止を見るが如き由々しき事態の発生をすら予想せらるヽに至ったのであります。
又大陸工業塩の還送減少に伴い、ソーダ工業を基礎とする化学工業生産は加速度的に低下するの已むなきに至り、是が為め本年中期以降に於きましては、金属生産は固より、爆薬等の供給にも支障を生ずる虞なしとせざる危機に瀕したのであります。
液体燃料に於きましても、既に日満支の自給力に依存するの外なき状況にありましたが、而も貯油の払底と拡充の困難に伴い、アルコール、松根油等の生産増強に異常なる努力を傾けましたにも拘らず、航空機燃料等の減少は、遠からざる将来に於て戦争の遂行に重大なる影響を及ぼさざるを得ない状況に立至ったのであります、一方航空機を中心とする近代戦備の生産も亦空襲の激化に因る交通及び生産施設の破壊と、各種材料、燃料等の不足に因り、従来方式に依る大量生産の遂行は遠からず至難を予想られるヽに至ったのであります。
斯くの如く我が国力は急速に消耗し、本年五、六月の交に於きましては、近代戦を続行すべき物的戦力の基盤は極度に弱められ、軍官民相協力して凡ゆる対策を講じ、国力の恢復に異常なる努力を捧げましたが、近き将来に於て物的国力の徹底的転換を図ることは、漸く至難なるものあるを思わしむるに至りました、殊に沖縄戦の終末以来形勢は全く重大化するに至ったのであります。
加うるに長期に亙る戦争の結果、国民生活、特に食料の面に於ける苦難は益〃増加すると共に、インフレーションは逐次一般に浸潤せんとし、戦力の現況は戦争の前途に対し深甚なる考慮を要するに至りました。
此の間我が特別攻撃隊は悲愴極りなき盡忠の精神を発揮して赫々たる偉勲を樹て、硫黄島、フィリピン、沖縄島等に於ける陸海の将兵亦一丸となって奮戦力闘、克く進攻の連合国軍に甚大なる出血を強要する等、我が陸海の精鋭は大東亜全戦域に亙り、一死以て皇国防護の大義に生くる伝統の勇武を発揮し、一億国民亦来るべき本土決戦に完璧の防衛態勢を以て、一挙に上陸連合国軍を撃滅すべく軒昂たる意気を示したのであります、併しながら長期に亙る数々の決戦に於て、其の都度連合国軍に至大なる損害を與えたりとは言え、此の間皇軍の被りました創痍も亦決して少い数字ではないのであります、御手許に配付致しました表に依って御覧の如く、海軍力および航空勢力の消耗は甚大なるものがありました、何れも戦争遂行上重大なる影響を與え、而も前述の如く国内生産の現状に於きましては、是が補充は意の如くならず、又陸上兵力に於きましては、大東亜各地に亙り作戦を続けて来たのでありますが、其の装備は漸く十全を期し難く、終戦時に於ける皇軍の物的戦力は逐次低下するの已むなきに至りました、之に対し厖大なる資源と工業力とを有する連合国側の軍需補給力は愈〃増大し、特に欧州に於けるドイツの屈伏後は、戦勝の余勢を駆って全戦力を帝国の周辺に集中し来り、物的方面に於ける彼我戦力の相対的比率は、急速に均衡を破るに至りました、国力の現状は以上の如く、陸海の戦備も亦斯くの如く低下を見るに至りましては、徹底的勝利の確信も理論上に於ては遺憾ながら其の根拠を減少し、戦争の継続は正に容易ならざる段階に到達したのであります。
一面連合国航空機に依る我が本土の空襲は愈〃甚だしく、大都市は申すまでもなく、中小の諸都市は次々に壊滅し、戦災に因り家屋の焼失せるものは二百二十萬に達し、負傷者は数十萬を以て数え、戦災者は一千萬に垂んとするの惨状を呈しました、而も八月に入りまして連合国軍は新たに原子爆弾を使用するに至り、其の攻撃を受けました広島、長崎両市の惨状は、眼も当てられぬ悲惨なものであります、其の残酷なる非人道的なる災禍の及ぶ所、延いては我が民族の滅亡を来し、世界の人類の文明も為に破壊に陥るを憂えしむるに至りました、加うるにソ連は突如として我が国に宣戦し、国際情勢亦最悪の事態に到達したのであります。
是より先、米英支三国はポツダムに於て帝国の降伏を要求する共同宣言を発し、諸般の情勢上、帝国は一億玉砕の決意を以て死中に活を求むるか、然らざれば終戦かの岐路に立ったのであります、日本民族の将来と世界人類の平和を思わせられた大御心に依り、大乗的 御聖断が下されたのであります、即ちポツダム宣言は原則として 天皇の国家統治の大権を変更するの要求を包含し居らざることの諒解の下に、涙を呑んで之を受諾するに決し、茲に大東亜戦争の終戦を見るに至ったのであります、帝国と連合各国との間の降伏文書の調印は、本月二日横浜沖の米国軍艦上に於て行われ、同日御詔書を以て連合国に対する一切の戦闘行為を停止し、武器を措くべきことを命ぜられたのであります、顧みて無限の感慨を禁じ得ませぬと同時に、戦争四年の間、共同目的の為に凡ゆる協力を傾けられた大東亜の諸盟邦に対し、此の機会に於て深甚なる感謝の意を表するのであります、連合国軍は既に我が本土に進駐して居ります、事態は有史以来のことであります、三千年の歴史に於て、最も重大局面と申さねばなりませぬ、此の重大なる国家の運命を担って、其の嚮うべき所を誤らしめず、国体をして弥が上にも光輝あらしむることは、現代に生を享けて居りまする我々国民の一大責務であります、一に懸って今後に処する我々の覚悟、我々の努力に存するのであります。
今日に於て尚お現実の前に眼を覆い、当面を糊塗して自ら慰めんとする如き、又激情に駆られて事端を滋くするが如きことは、到底国運の恢弘を期する所以ではありませぬ、一言一行悉く 天皇に絶対帰一し奉り、苟くも過たざることこそ、臣子の本分であります、我々臣民は 大詔の御誡めを畏み、堪え難きを堪え、忍び難きを忍んで、今日の敗戦の事実を甘受し、断乎たる大国民の矜持を以て、潔く自ら誓約せるポツダム宣言を誠実に履行し、誓って信義を世界に示さんとするものであります。
今日我々は不幸敗戦の苦杯を嘗めて居りますが、我々にして誓約せる所を正しく堂々と実行するの信義と誠実を示し、正しきと信ずる所は必ず之を貫くと共に、正しからざる所は速かに之を改め、理性に悖ることなき行動に終始致しまするならば、我が国家及び国民の真価は必ずや世界の信義と理性に愬え、列国との友好関係を恢復し、茲に萬邦共栄の永遠の平和を世界に現わし得べきことを確信するのであります、今後に於ける我が外交の基本も、正しく之に存するのであります、畏くも 大詔に於きましては「世界の進運に後れさらむことを期すへし」と御示しになって居ります、私共は維新の大業成るに当り、明治天皇御自ら天地神明に誓わせられました所の五箇条の御誓文の御精神に復り、此の度の悲運に毫も屈することなく、自粛自重徒らに過去に泥まず、将来に思い迷うことなく、一切の蟠りを去って虚心坦懐、列国との友誼を回復し、高き志操を堅持しつヽ、長を採り短を補い、平和と文化の偉大なる新日本を建設し、進んで世界の進運に寄與するの覚悟を新たにせんことを、誓い奉らなければならぬと存じます。
組閣の大命を拝するに当りまして、畏くも 天皇陛下に於かせられましては私に対し、「特に憲法を尊重し、詔書を基とし、軍の統制、秩序の維持に努め時局の収拾に努力せよ」との有難き御言葉を賜わりました、私は此の有難き 大御心に副い奉ることを唯一の念願として、之を施政の根本基調として、粉骨砕身の努力を致し、国民の先頭に立ち平和的新日本の建設の礎たらんことを期して居ります、国民諸君も亦畏き 聖慮の存する所を再思三省され、心機一転、溌刺清新の意気を以て、新たなる御代の隆昌に向って勇往邁進して戴きたいのであります。
是が為には特に溌刺たる言論と公正なる與論とに依って、同胞の間に溌刺たる建設の機運の湧上ることが、先ず以て最も重要なりと信ずるのであります、私は組閣の初めに当りまして建設的なる言論の洞開を促し、健全なる結社の自由を認めたき旨意見を表明する所があったのでありますが、政府と致しましては、言論の尊重、結社の自由に付きましては、最近の機会に於きまして言論、出版、集会、結社等臨時取締法を撤廃致したき意向であり、既にそれ等の取締を緩和致しましたことは先に発表致しました通りであります、苟くも国民の能動的なる意欲を冷却せしむるが如きことなきよう、今後とも十分留意して参る所存であります、特に帝国議会は、国民代表の機関として名実共に真に民意を公正に反映せしめ得る如く、憲法の精神に則り正しき機能を発揮せられんことを衷心より希望するものであります。
戦争の終結に伴いまして、軍事上、産業上の復員が行われ、今後多数の同胞は各〃其の家郷に、或は又旧の職場に復帰して参ります、又大東亜各地に配備せられて居ります多数軍隊の内地帰還は真に容易のことではありませぬ、相当の年月を要する処があるのでありますが、是等の任務を解かれた軍人及び産業要員の就職、授産等の援護厚生に付きましては、政府と致しましても固より萬全の準備を盡して遺憾なきを期する所存でありますが、同胞諸君に於かれましても、傷き破れた是等の人々に深き思いやりを致され、温き同胞愛を以て抱擁して戴きたいのであります、特に特別攻撃隊の勇士を初め、壮烈護国の華と散られました幾多の将士の盡忠に対しましては、私は諸君と共に謹んで敬弔の誠を捧げます、又戦陣に傷き病んだ将兵各位に対し深甚なる同情の意を表し、其の速かなる再起を衷心より希望して居るのであります、政府と致しましては軍人遺族並に傷痍軍人の上に寄せさせ給う有難き 大御心を体し、其の援護厚生に今後特段の努力を傾け施政の萬全を期したき考えであります。
又第一線の将兵と変ることなき危険を冒し、幾多の尊き殉職者を出しつヽも、敢然として長期に亙り海上輸送の完遂に撓まざる努力を示して参りました船員諸君に対し、更に空爆下一身の安危を顧みず増産増送の職場を守り抜き、遂に職域に殉じた同胞諸君並に皇国の大義に生くる行学一致の学徒動員に、真に目覚ましき働きを示しました学徒諸君に対しましては、私は諸君と共に心から敬意を表しますると共に、空爆に因り非命に斃れ、家を失い、職を離れた同胞諸君に対し深甚なる同情の意を表するものであります、是等殉職者、戦災者の援護に付きましては、今次の 御詔書に於きましても洵に有難き 御聖慮を拝して居るのでありまして、政府は今後とも全力を傾注致したき考えであります、戦災者諸君に於かれましても、悲運に屈することなく、速かに溌刺たる意気を以て建設に奮起して戴きたいのであります。
今や歴史の転機に当り、国歩艱難、各方面に亙る戦後の再建は極めて多難なるものがあります、戦いは終りました、併しながら我々の前途は益〃多難であります、詔書にも拝しまする如く、今後帝国の受くべき苦難は蓋し尋常一様のものではありませぬ、固より政府と致しましては衣食住の各方面に亙り、戦後に於ける国民生活の安定に特に意を注ぎ、凡ゆる部面に於いて急速に萬全の施策を講じて参る考えであります、併し戦争の終結に依って直ちに過去の安易なる生活への復帰を夢見るが如き者ありと致しますならば、思はざるも甚だしきもので、将来の建設の如きは到底期し得ないのであります、特に外地、満州等よりの輸移入に差当り多くを期待し得ませぬ今日に於て、食糧対策は極めて多難重大であります、隨て今後政府、国民一致して全力を盡して是が解決を図らねばならぬことは勿論でありますが、政府と致しましては、特に復員に依る多数の軍人や産業要員の食糧生産部面への転進に依って、既耕地の集約強化は固より戦災地、未墾地の積極的開発を行い、又水産の劃期的振興に努めたき考えであります、国民諸君も凡ゆる地力を利用して食糧の自家生産に努め、農民諸君は食糧の供出に従来以上の熱意と努力を示し、又一般消費者に於ても食生活に付き一般の工夫を凝らされんことを期待する次第であります、斯くして今後仮令外地、海外より食糧の輸移入が困難なるが如き事態となりましても、国内に於てなし得る限り自給し得べき方途を講じて行きたいと思って居ります。
次に住宅の問題に付きましては、相次ぐ戦災に因って家屋の焼失致しましたものは極めて莫大な数に上って居るのでありまして、是が復旧は一刻も忽せにすることが出来ない重大なる問題であります、畏くも 天皇陛下に於かせられましては、戦災復興のことを痛く御軫念あらせられ、過日特別の思召を以て木材百萬石を下賜あらせられます旨の有難き御沙汰を拝しました、政府と致しましては 聖慮の存しまする所を奉体し、大量の簡易住宅を急速に建設する等萬般の対策を講じて、速かに住宅問題の安定解決を期したき考えであります。
衣料の問題に付きましても、特に今後冬に向って戦災者の衣料寝具等の対策は極めて深刻なるものがあります、而も繊維製品の在庫の払底、原料の取得困難なるに加えて、其の生産設備は戦争中概ね軍需生産方面へ転換せしめられました為め、国民に対する繊維製品の供給は当面相当困難なるものがあります、勿論政府と致しましては、今後速かに生産設備の復旧を図る等諸般の方策を講じ、為し得る限り衣料品の供給を図りますと共に、戦災を受けなかった人々の衣料を、同胞愛に依りまして戦災者に分配することに依って、多少とも当面の困難を緩和致したいと思って居ります。
戦災其の他の影響に依り我が国が蒙りました打撃は極めて甚大でありまして、経済各般の状況を詳かに検討致しまするならば、インフレーションの潜在的原因が内面的には逐次醸成せられつヽありますことは否み難き所であります、而も戦後処理等今後の事態に想到致しまするならば、我が国経済の負担は終戦に依り却て益〃加重せられるのであります、若し戦後に於ける国民の覚悟に弛みを生じ、政府の施策にして適切を欠くものありと致しまするならば、インフレーションの恐るべき惨害は、遂に収拾すべからざる破壊と混乱に導かれなければならぬのであります、政府と致しましては全力を挙げてインフレーションの防遏に努め、是が施策に萬全を期する考えであります、固より国民全幅の協力に依って、初めて能くなし得るものでありますことは申すまでもありませぬ。
軍隊の復員、軍需生産の停止転換等に伴う軍人及び産業要員の就職、授産等のことが戦後の処理に於て極めて重要な問題でありますことは只今も申述べた通りであります、今後に於きましては相当の失業者を出すことも予期せねばなりませぬ、随て政府と致しましては、戦後対策としての失業問題の処理に付きましては、国民生活の安定と共に、特に施設の重点として是が施策の萬全を期して居る次第であります、差当り農業増産の部面に是等の人々の労力を極力活用するの方途を講じたき考えで居ります。
新しき教育文化の建設、産業の転換復旧固より大事業であります、其の他終戦に伴う当面の難問は今や山積して居るのであります、是等の問題を誤りなく速かに処理し得てこそ、新建設への基は開かれるのでありまして、我々の今後の努力は又容易ならざるものがあります、政府と致しましては、固より全力を挙げて是が迅速なる処理解決に邁進する覚悟でありますが、是等戦後対策が円滑的確を期し得ますると否とは、全国民が乏しきに耐ゆる生活の裡に、能く建設の覚悟を示し得るか否かに懸ること甚大なるものがあります。
我々の前途は遠く且つ苦難に満ちて居ります、併しながら 御詔書にも御諭しを拝する如く、我々国民は固く神州不滅を信じ、如何なる事態に於きましても、飽くまでも帝国の前途に希望を失うことなく、何処までも努力を盡さねばならぬのであります。
畏くも 詔書には「朕は常に爾臣民と共に在り」と御示しになって居ります、此の有難き 大御心に感奮し、我々は愈愈決意を新たにして、将来の平和的文化的日本の建設に向って邁進せねばならぬと信じます、全国民が一つ心に融和し、挙国一家、力を戮せて、不断の精進努力に徹しますならば、私は帝国の前途は軈て洋々として開け輝くことを固く信じて疑わぬものであります、斯くしてこそ初めて、宸襟を安んじ奉り、戦線銃後に散華殉職せられましたる幾十萬の忠魂に応え、英霊を慰め得るものと固く信じます。
データベース「世界と日本」
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所
[出典] https://worldjpn.grips.ac.jp/
전쟁 종결까지의 경위 및 시정 방침 연설
히가시쿠니노미야 나루히코
1945년 9월 5일
나루히코, 먼저 조각(組閣)의 대명을 받들어 국가 비상 시기에 중책을 맡게 되어 참으로 황공하고 감격을 금할 수 없습니다.
이 자리에서 제88회 제국의회에 출석하여 제군 여러분을 뵙고, 이번 종전에 이르는 경위의 개요를 말씀드리고, 어려운 시국에 대처하는 정부의 소신을 피력하는 것은 저의 가장 엄숙한 책무라고 생각하며, 황송하게도 천황폐하가 어제 개원식에 친히 참석하시어 특별히 친히 칙어를 내려 주셨습니다. 저는 두려움과 감격을 금할 수 없으며, 제국의 당면한 난국을 극복하고 미래 건설을 위해 총력을 기울여 성스러운 뜻을 받들어 제국과 함께 성스러운 뜻을 받들고자 합니다.
제군들, 먼저 경건히 대조(大詔)를 받들어 제국은 미영중소 4개국의 공동선언을 받아들였고 대동아전쟁은 이 자리에서 비상한 조치로 그 국면을 맞이하게 되었으니, 전쟁 4년, 돌이켜보면 만감 교차에 이르지 않을 수 없으나 이미 대조(大詔)가 내려진 것이므로, 저희 신하들은 승조필근(承詔必謹)하고, 대조(大詔)의 정신의 가르침을 몸소 실천하고, 폐하의 뜻에 부응하여 조금도 어긋나지 않고, 거국일가, 정사(政事)의 질서 아래 새로운 사태에 대처하여 대도(大道)를 어긋나지 않는 노력으로 살아야 할 것입니다.
이번 종전은 오로지 감사하게도 인자한 폐하의 마음에서 나온 것입니다. 지존(至尊) 스스로 조종(祖宗)의 신령 앞에서 사죄하시고 만민을 고난에서 구하시며, 만세를 위해서 태평을 열어 주셨습니다. 신하로서 하해와 같은 마음과 고마움에 이토록 감격한 적이 없습니다. 우리들은 오로지 감격의 눈물에 목이 메이고, 또 이렇게나 깊이 심려를 끼쳐드리면서 뜻을 받들게 된 것에 대해 깊이 사죄의 말씀을 드리는 바입니다.
공손히 생각하건대 세계의 평화와 동아시아의 안정을 생각하고 만방 공영을 간절히 바라는 것은 개국 이래 제국 불변의 국시(国是)였으며, 또 본디 늘 폐하의 마음에 있는 것입니다. 세계의 국가 민족이 상호 존경과 이해의 뜻으로 서로 화합하고 협력해서 그 문화를 교류하고, 경제의 교통을 확대하며 모두가 함께 번영을 누리고, 서로 친하게 인류의 건강과 행복을 증진하고 점점 문화를 높여서 세계 평화와 진보의 기상에 공헌하는 것이야말로 역대 천황께서 깊이 생각하고 계셨던 바입니다. 정말로 황송하게도 천황 폐하는 대동아전쟁 발발 전 우리나라가 화전을 결정하는 중대한 어전 회의가 열렸을 때, 세계 대국인 우리나라와 미·영이 전쟁을 시작하게 된다면 세계 인류가 입어야 할 파괴와 혼란은 헤아릴 수 없고 세계 인류의 불행도 그에 못지 않다는 점을 몹시 우려했습니다. 그래서 폐하 스스로 메이지 천황의 “사방의 바다는 모두 형제인데, 왜 쓸 때없이 파도가 거칠어지는가”라고 친히 쓰신 글을 큰 소리로 읽으시어 어떻게든 우리나라와 미·영 양국과의 복잡하게 뒤얽힌 오해를 일소하고 전쟁의 위기를 극복해 세계 인류의 평화를 유지할 수 있도록 소망하셔서, 정부에 백방의 수단을 다해 교섭을 원만하게 마무리 지을 수 있도록 하시라는 편달을 내리셨고, 그곳에 있는 모든 사람은 넓고 하해와 같은 성심에 숙연하게 옷깃을 여미었다고 합니다. 이와 같은 폐하의 마음은 개전 후에도 시종 변함없으셨고, 그래서 세계 평화의 확립에 대해 폐하께서는 항상 바다처럼 넓고 깊이 마음을 쏟으셨습니다. 이번 새로운 사태로 인해, 불행히도 우리나라는 비상조치로 대동아전쟁의 국면을 매듭짓게 되었는데, 이 역시 모두 세계 평화를 위한, 깊은 성심에서 비롯된 인자한 관심에서 나오신 것입니다.
지존이 총명하심에도 여전히 지금의 비상 시국을 초래하고 이렇게도 깊이 폐하의 마음을 괴롭게 했던 것은 신하로서 정말로 죄송할 따름입니다. 민초의 안위를 이렇게까지 생각하시는 성심에 대해, 우리들 국민은 폐하의 인자함의 깊이를 깊이 가슴에 새기고 자숙하고 자성해야 합니다.
패전으로 인한 결과는 원래 한 번에 끝나지 않습니다. 전선과 후방도, 군도 관도 민도 모두, 국민 모두 조용히 반성하지 않으면 안 됩니다. 우리들은 지금이야 말로 모두 총참회하고 신 앞에서 모든 사심을 깨끗이 씻으며, 과거를 거울 삼아 장래의 경계로 삼고 마음을 새롭게 잡아 전쟁 때보다도 더 하나가 되어 서로 돕고, 서로 함께 각자의 본분에 최선을 다해 앞으로 닥칠 고난의 길을 넘으며, 제국이 장래에 나갈 기운을 열어야 합니다.
전쟁 4년, 충성스럽고 용맹한 육해군의 정예 부대는 혹한을 견디고 혹서를 무릅쓰며 모든 괴로움을 겪으면서 용감하게 싸웠고, 관리는 침식을 잊고 그 직무에 힘썼으며, 후방의 국민은 협력하고 단결해서 오로지 전력 증강의 직무에 몸을 바쳤습니다. 황국은 거국일체로 총력을 기울여 전쟁 목적의 완수에 힘을 기울였습니다. 원래 그 방법에는 잘못이 있고 적절성을 결여한 점도 적지 않습니다. 그와 관련한 노력에는 모두 적절했다고 할 수 없는 아쉬움도 있었습니다. 그러나 모든 고난 결핍을 견뎌내 온 1억 국민의 이와 같은 분투의 의지력, 이렇게 충성을 다하는 정신이야 말로 전쟁에서 졌다고는 하나, 길이 기억해야 할 민족의 저력입니다.
그런데 과달카날 섬으로부터 후퇴한 이래, 전세는 꼭 호전된 것만이 아니었으며, 특별히 마리아나 제도 상실 이후 연합군의 진공이 갑자기 속도를 내고, 또 우리 본토에 대한 공습도 점차적 격화되어 그 참상은 날로 증가했습니다. 이미 해상 수송력 저하로 인해 상당한 영향을 받고 있던 군수 생산은 이처럼 전쟁 국면이 한층 긴박해짐과 동시에, 금년 봄부터는 더욱 어려움이 심해지는 한편 전쟁의 장기화에 따른 민력의 피폐 또한 점차 두드러지고 있습니다. 종전 이전의 상황은 근대전의 장기 수행에 점점 곤란함이 더해져 우려해야 할만한 상황이 되었습니다. 이에 그 개요를 말씀드리면, 금년 5월경의 상황은 기선 수송력은 선박 상실량의 증가와 수차례에 걸친 선박의 남방 차출 등으로 인해 개전 초기 사용 선박의 약 4분의 1 정도를 유지하는 데 불과했습니다. 여기에 액체 연료 부족과 연합군의 방해가 격화됨에 따라 운항 능률은 현저히 저하되었으며 특히 오키나와 전투가 끝난 이후, 연합군 항공기의 위력이 증대되어 대륙과의 교통 마저도 어려운 상태가 되었습니다. 한편으로 기범선(機帆船)의 수송력도 연료 부족과 연합군의 방해로 인해 급격히 감소해서 신규 선박 건조 및 손상 선박의 보수 역시 뜻대로 진척되지 않고 있습니다. 이와 같은 해상 수송력의 기능 저하는 전력 유지에 심대한 영향을 주기에 이르렀습니다.
철도 수송력 방면에서도 차량, 시설 등의 피폐에 더해, 잇따른 공습으로 인해 차례로 그 기능이 저하되어 자칫하면 일관성을 상실하는 경향마저 보였고, 전체적으로 수송력은 올 해 중기 이후에는 작년도와 비교해서 여러가지 노력에도 불구하고 도리어 2분의 1 이하로 저하될 것으로 예상되었습니다.
이렇게 수송력의 격감에 따라 석탄 기타 공업 기초 원료 자재의 공급은 현저히 둔화되었을 뿐만 아니라, 남방에서 보내오는 물자의 취득도 거의 불가능하게 되었고 또 공습으로 인한 생산 시설의 피해 증가와 작업 능률의 저하가 각 산업에 심각한 영향을 미쳐, 공업 생산이 전면적으로 죽 하향했습니다. 그래서 군·관민의 노력에도 불구하고, 이를 빠르게 개선하기는 어려운 상황이 되었습니다.
철강 생산은 개전 당초와 비교해서 약 4분의 1 이하로 저하되어 철강에 의존하는 강선(鋼船)의 신규 보급도 별로 기대할 수 없는 상황이 되었습니다. 또 보유한 자재를 활용해서 전력화하는 것도 소운송력(小運送力)의 저하, 원활하지 못한 석탄 배급 등의 사정으로 인해 계속 줄어드는 지경에 이르렀습니다.
석탄의 경우, 석탄 생산 실적은 점점 더 악화되었고, 육ㆍ해 수송력의 대폭적인 저하로 인해 공급이 점차 감소했습니다. 이 때문에 중추 지대의 공업 생산은 전면적으로 낮아졌고, 올해 중기 이후 그곳 상당 부분의 가동이 정지된 것에서 보이듯, 중대한 사태가 발생할 것으로 예상되었습니다.
또 대륙 공업염(工業鹽)의 송출이 감소함에 따라 소다 공업을 기초로 하는 화학 공업 생산은 빠르게 저하될 수밖에 없게 되었고, 이로 인해 올 중기 이후에는 금속 생산은 물론 폭약 등의 공급에도 지장을 줄 수 있을 정도의 위기에 직면했습니다.
액체 연료도 이미 일본, 만주, 중국의 자급력에 의존할 수밖에 없는 상황인데, 더욱이 저장하고 있는 유류도 바닥나 이를 확충하는 것도 어려워졌습니다. 그래서 알콜, 송근유(松根油) 등의 생산 증대에 비상한 노력을 기울였음에도 불구하고, 항공기 연료 등의 감소는 멀지 않아 전쟁 수행에 중대한 영향을 미칠 수밖에 없습니다. 한편 항공기를 중심으로 한 근대 전비(戰備)의 생산도 역시 공습의 격화로 인한 교통 및 생산 시설의 파괴와 각종 재료, 연료 등의 부족으로 인해 기존 방식의 대량 생산도 머지않아 어려울 것으로 예상되는 지경에 이르렀습니다.
이렇게 우리 국력은 급속히 소모되어, 올해 5, 6월경에는 근대전을 지속해야 할 물적 전력의 기반이 극도로 약해졌고 군ㆍ관민이 상호 협력해서 다양한 대책을 강구하며 국력 회복에 비상한 노력을 기울였으나 가까운 장래에 물적 국력을 철저히 바꾸는 것은 점점 어렵다고 생각하기에 이르렀습니다. 특히 오키나와 전투의 종결 이후 형세가 아주 엄중하게 되었습니다.
더욱이 장기간에 걸친 전쟁의 결과, 국민 생활, 특히 식료(食料)의 측면에서 고난은 점점 증가하고 있고, 동시에 인플레이션은 점점 일반으로 침투하려고 하고 있으며, 전력의 현황은 전쟁의 앞날을 심각하게 고려해야 할 지경에 이르렀습니다.
그 동안 우리 특별공격대는 비장한 마음으로 충성의 정신을 발휘해 혁혁한 위훈을 세웠고, 이오 섬(硫黄島), 필리핀, 오키나와 섬 등의 육해군 장병도 역시 하나가 되어 분투해서, 힘을 다해 진공하는 연합군에 막대한 출혈을 강요하는 등 우리 육해군의 정예는 대동아 모든 지역에 걸쳐 일사의 각오로 황국 방호의 대의에서 비롯된 전통의 무용을 발휘했습니다. 또 1억 국민 또한 장차 올 본토 결전에 대비해 완벽한 방위 태세를 갖추어, 일거에 상륙하는 연합군을 격멸한다는 높은 의기를 보여 주었습니다. 그러나 장기간에 걸친 수많은 결전에서 매번 연합군에 지대한 피해를 안겨주었다고는 하나, 그 동안 황군이 입은 상흔도 또한 결코 적지 않았습니다. 앞서 배부한 표에 따르면, 보시는 바와 같이 해군력 및 공군 세력의 소모는 막대한 것이었습니다. 모두 전쟁 수행 상 중대한 영향을 주었고 또 전술한 바와 같이 국내 생산 현황도 보충이 뜻대로 되지 않았으며, 또 육상 병력도 대동아 각지에 걸쳐 작전을 지속해 왔지만, 그 장비도 점점 만전을 기하기 힘들어졌기에, 종전 당시 황군의 물적 전력은 점점 저하되었던 것입니다. 이에 비해 방대한 자원과 공업력을 가진 연합국 측의 군수 보급 능력은 점점 증대되었고, 특히 유럽에서 독일이 굴복한 이후에는 전승의 여세를 몰아 모든 전력을 제국의 주변에 집중해 왔기에, 물적 방면에서 피아 전력의 상대적 비율은 급속히 깨지기에 이르렀습니다. 국력 현황은 이상과 같았고, 육해군의 전비도 역시 이렇게 저하되기에, 유감스럽게도 이론상으로는 철저하게 승리의 확신도 사라져, 전쟁을 지속하는 것이 정말로 쉽지 않은 단계에 도달했습니다.
한편, 연합국 항공기의 본토 공습은 점점 심해졌고, 대도시는 물론, 중소 여러 도시도 차례로 괴멸되어 전화(戰火)로 소실된 가옥이 220만에 달했으며, 부상자는 수십만을 헤아리는 등 전재민이 1,000만에 가까운 참상을 보이고 있습니다. 더욱이8월에 들어 연합군은 새롭게 원자 폭탄을 사용하기에 이르렀는데, 그 공격을 받은 히로시마, 나가사키 두 시의 참상은 눈 뜨고 볼 수 없는 비참한 것이었습니다. 그 잔혹하고 비인도적인 재앙이 닥치자, 우리는 이것이 민족의 멸망을 가져오고, 세계 인류 문명도 파괴하는 것을 우려하기에 이르렀습니다. 게다가 소련이 돌연 우리 나라에 선전포고해서, 국제 정세 또한 최악의 사태에 이르렀습니다.
여기에 앞서 미ㆍ영ㆍ중 3국은 포츠담에서 제국의 항복을 요구하는 공동 선언을 발표하고, 제반의 정세속에서 제국은 1억 옥쇄의 결의를 가지고, 죽음으로써 살길을 찾을 것인가 그렇지 않으면 종전할 것인가의 기로에 섰던 것입니다. 이에 일본 민족의 장래와 세계 인류의 평화를 생각하신 폐하의 뜻에 의해 대승적 성단이 내려지신 것입니다. 즉, 포츠담 선언은 원칙적으로 천황의 국가 통치 대권에 대한 변경 요구를 포함하지 않는다는 양해 하에, 눈물을 머금고 수락하기로 결정했고, 이에 대동아전쟁의 종전을 보기에 이른 것입니다. 제국과 연합국 각국 사이의 항복문서 조인은 이달 2일 요코하마 앞바다의 미국 군함 위에서 진행되었고, 같은 날 조서로 연합국에 대한 일체의 전투 행위를 중지하고 무기를 버려야만 한다고 명하신 것입니다. 돌이켜보건 데 무한한 감개를 금할 수 없고, 동시에 전쟁의 4년 동안 공동의 목적을 위해서 모든 협력을 기울여 온 대동아 여러 맹방에, 이번 기회에 심심한 감사의 뜻을 표하는 바입니다. 연합군은 이미 우리 본토에 진주해 있습니다. 이 사태는 유사 이래의 일입니다. 3,000년 역사에서 가장 중대한 국면이라고 말하지 않을 수 없습니다. 이 중대한 국가의 운명을 지고, 그 나아가야할 바에서 벗어나지 말고, 국체를 더욱 빛나게 하는 것은 현대에 태어나 살아가고 있는 우리 국민의 일대 책무입니다. 오로지 앞날에 대처하는 우리의 각오, 우리의 노력이 있을 뿐입니다.
오늘날 여전히 현실 앞에서 눈을 가리고 현실을 호도해서 스스로를 위로하려는 것, 또 격정에 휘말려 사건의 단초를 키우는 것은 결코 국운을 살리는 행위가 아닙니다. 언행 하나하나 모두 천황을 받드는 것으로 하나가 되어, 삼가 본분에서 벗어나지 않는 것이야 말로 신하의 본분입니다. 우리들 신민은 조서의 훈계를 황송하게 받들어, 견디기 어려운 것을 견디고 참기 어려운 것을 참으면서 오늘의 패전을 받아들이고, 단호하게 대국민의 긍지를 가지고 미련없이 스스로 서약한 포츠담 선언을 성실하게 이행해, 신의를 세계에 보여 줄 것을 서약합니다.
오늘날 우리들은 불행히도 패전이란 고배를 마시고 있지만, 우리들이 서약한 바를 바르고 당당하게 실행하는 신의와 성실을 보여주어, 옳다고 믿는 것은 반드시 관철하고 동시에 옳지 않은 것은 신속히 고쳐 이성에 어긋남이 없는 행동을 시종일관 지켜야 합니다. 그러면 우리 국가 및 국민의 진가가 반드시 세계의 신의와 이성에 호소할 것입니다. 그래서 여러 국가와의 우호관계를 회복하고 만방 공영의 영원한 평화를 세계에 보여주어야 한다고 확신합니다. 앞으로 우리 외교의 기본도, 바로 여기에 있습니다. 황송하게도 조서는 “세계의 기운에 뒤쳐지지 않도록 기해야만 한다”고 교시하고 있습니다. 우리 모두는 유신의 대업을 이루는 데 있어서 메이지 천황께서 친히 천지신명께 맹세하신 바인 5개조의 서약문의 정신으로 돌아가, 이번 비운에 조금도 굴하지 않고 자숙자중(自粛自重)해야 합니다. 또 헛되이 과거에 집착하지 않으며 장래에 대해서 망설임 없이 일체의 응어리를 버리고 허심탄회하게 여러 나라와의 우의를 회복하고 높은 지조를 견지하면서 장점을 취하고 단점을 보완하며, 평화와 문화의 위대한 신일본을 건설하고, 나아가 세계 진보에 기여한다는 각오를 새롭게 할 것을 서약해야 합니다.
조각의 대명을 삼가 받드는 것에 있어서, 황송하게도 천황 폐하는 제게 “특별히 헌법을 존중하고, 조서를 기초로 하여 군의 통제, 질서 유지에 노력해 시국 수습에 노력하라”는 고마운 말씀을 하셨습니다. 저는 이 감사한 성심을 받들 것을 유일한 염원으로 하고 이것을 시정의 근본 기조로 삼아 분골쇄신 노력하며, 국민의 선두에 서서 평화적인 신일본 건설의 초석이 될 것입니다. 국민 여러분도 삼가 폐하께서 우려하는 바를 다시금 생각하고 반성하여 심기일전, 참신발랄(溌刺清新)한 마음 가짐으로, 새로운 치세의 융성을 향해 용감하게 전진해 주셨으면 합니다.
이를 위해서는 특히 발랄한 언론과 공정한 여론을 통해, 동포 사이에 발랄한 건설의 기운이 높이 솟아오르는 것이 우선 가장 중요하다고 믿고 있습니다. 저는 조각 초기에는 건설적인 언론의 개방을 촉진하고 건전한 결사의 자유를 인정하고 싶다는 취지 의견을 표명했습니다. 정부로서는 언론의 존중, 결사의 자유에 대해, 가까운 기회에 언론, 출판, 집회, 결사 등 임시 단속법을 철폐할 것입니다. 이미 이들 단속을 완화한 것은 앞서 발표한 그대로입니다. 적어도 국민의 능동적인 의욕에 찬물을 끼얹지 않도록 향후 충분히 유의해 나아가겠습니다. 특히 제국의회는 국민을 대표하는 기관으로서 명실 공히 진정으로 민의를 공정하게 반영할 수 있듯이, 헌법 정신에 따라 올바른 기능을 발휘할 수 있기를 충심으로 희망하는 바입니다.
전쟁이 종결됨에 따라 군사상, 산업상의 복원이 진행되어, 향후 다수의 동포가 각자의 고향으로 혹은 옛 직장으로 복귀할 것입니다. 또 대동아 각지에 배치된 다수의 군대가 내지(內地)로 귀환하는 것은 정말로 용이한 일이 아닙니다. 상당한 세월을 필요로 한데, 이들 임무가 해제된 군인 및 산업 요원의 취직, 취업 알선 등의 원호ㆍ 후생은 정부로서도 원래부터 만전의 준비를 하고 있지만, 동포 여러분도 상처입고 찢어진 이들을 깊이 배려해서 따뜻한 동포애로 안아 주셨으면 합니다. 특히 특별공격대 용사를 비롯해 장렬히 호국의 꽃으로 흩어진 수많은 장병의 진충(盡忠)에 대해서는 저도 여러분과 함께 삼가 조의를 바칩니다. 또 전장에서 상처 입고 병든 장병에 대해서 심심한 동정의 뜻을 표하며, 빠른 재기를 충심으로 희망하고 있습니다. 정부로서는 군인 유족 및 상이 군인에게 베풀어 주신 감사한 성심을 명심하고, 그와 관련해서 원호ㆍ후생에 향후 특단의 노력을 기울여 시정에 만전을 기할 것입니다.
또 제일선의 장병과 다름없이 위험을 무릅쓰고 다수의 고귀한 순직자를 내면서도 과감히 장기간에 걸쳐 해상 수송의 완수를 위해 변함없는 노력을 보여 준 선원 여러분에 대해서도, 그리고 공중 폭격 중에서도 일신의 안위를 돌보지 않고 증산증송(増産増送)하는 직장을 지켜내고, 그러다가 직무 중 순직한 동포 여러분 및 황국의 대의 속에 살면서 행학일치(行學一致)의 학도 동원에 정말로 눈부신 활동을 보여 준 학도 여러분에 대해, 저는 여러분과 함께 마음으로부터 경의를 표함과 동시에, 공중 폭격으로 인해 비명에 쓰러지고 집을 잃고, 직장에서 떨어진 동포 여러분에게 심심한 동정의 뜻을 표하는 바입니다. 이들 순직자, 전재민의 원호는 이번 조서에서도 정말로 폐하의 고마운 배려를 삼가 받들고 있으며 정부는 앞으로도 전력을 기울일 것입니다. 전재민 여러분도 비운에 굴복하지 않고 신속하게 발랄한 기상으로 건설에 분발해 주셨으면 합니다.
지금은 역사의 전환기로 국가의 운명은 험난하고, 각 방면에 걸쳐 전후 재건은 대단히 어렵습니다. 전쟁은 끝났습니다. 그러나 우리들의 앞날은 점점 더 어려워질 것입니다. 조서에서 삼가 받들었듯이 향후 제국이 받을 고난은 아마도 평범한 것이 아닐 것입니다. 원래 정부로서는 의식주의 각 방면에 걸쳐 전후에 국민생활 안정에 특히 주의를 기울여, 모든 부분에서 빨리 만전의 시책을 강구할 생각입니다. 그러나 전쟁의 종결로 인해 즉시 과거의 안이한 생활로 복귀를 꿈꾸는 듯이 보이는 사람이 있다면, 그것은 도저히 생각할 수 없는 것으로서, 장래 건설 같은 것은 도저히 기대할 할 수 없습니다. 특히 외지(外地), 만주 등으로부터의 유입을 기대할 수 없는 지금 식량 대책은 대단히 어렵고 중대합니다. 따라서 향후 정부, 국민이 일치하여 전력을 다해 해결을 꾀해야 합니다. 정부에서는 특별히 복원으로 인한 다수의 군인이나 산업 요원을 식량 생산 부분으로 전환해서, 기존 경작지의 집약 강화는 물론 전재지ㆍ미 개간지를 적극적으로 개발하고, 또 수산의 획기적인 진흥에 노력하려고 합니다. 국민 여러분도 모든 지력(地力)을 이용해 식량의 자가 생산에 노력하고 농민 여러분은 식량 공출에 기존의 열의 이상의 열의와 노력을 보여주셨고, 또 일반 소비자도 식생활에 대해 모든 방도 마련에 짜내는 것을 기대하는 바입니다. 이렇게 해서 향후 만일 외지, 해외로부터의 식량 수입이 곤란해지는 사태가 생기더라도, 될 수 있는 한 국내에서 자급할 방도를 강구해 가고 싶습니다.
다음으로 주택 문제에 대해서는, 잇따른 전화로 인해 가옥의 소실은 매우 막대한 수에 달해, 그 복구는 한시도 소홀히 할 수 없는 중대한 문제입니다. 황송하게도 천황 폐하께서는 전후 부흥을 몹시 신경을 쓰고 계시며 일전에는 특별히 목재 100만석을 하사하신다는 취지의 감사한 분부를 받았습니다. 정부로서는 폐하의 배려하신 바를 받들어 대량의 간이 주택을 신속히 건설하는 등 만반의 대책을 강구하고 신속히 주택 문제의 안정 해결을 기하고 싶습니다.
의복 문제에 대해서도, 특별히 앞으로 겨울이 되니 전재민의 의류, 침구 등의 대책은 대단히 심각한 면이 있습니다. 더구나 섬유제품의 재고 소진, 원료 취득의 곤란에 더해, 생산 설비가 전쟁 중 대부분 군수 생산 방면으로 전환되었기 때문에, 국민에 대한 섬유제품의 공급은 당분간 상당히 곤란합니다. 물론 정부도 앞으로 신속하게 생산 설비의 복구를 꾀하는 등 여러가지 방책을 강구하며, 할 수 있는 한 의류품의 공급을 꾀하고 더불어 전화를 입지 않은 사람들의 의복을 동포애로 전재민에게 분배함으로써 조금이라도 당면의 곤란함을 완화시키려고 생각합니다.
전쟁 및 기타 영향으로 인해 우리 나라가 입은 타격은 정말로 심대한데, 전반적인 경제 상황을 자세히 검토하면, 인플레이션의 잠재적 원인이 내적으로 점차 형성되고 있다는 점을 부정하기 어렵습니다. 더구나 전후 처리 등 향후의 사태를 생각하면, 우리 나라 경제의 부담은 종전으로 인해 도리어 점차 가중되어 가고 있습니다. 만약 전후에 국민의 각오가 약해지고 정부 시책이 적절하지 않다면, 인플레이션의 가공할 피해는 결국, 수습하기 어려운 파괴와 혼란을 초래할 수밖에 없습니다. 정부는 전력을 다해 인플레이션 방어에 힘쓰고 그 시책에 만전을 기하고자 합니다. 본래 국민의 전폭적인 협력이 있고 서야 비로소 잘 된다는 것은 말할 나위가 없습니다.
군대의 복원, 군수 생산의 중지ㆍ전환 등에 따른 군인 및 산업 요원의 취직, 취업 알선 등의 사항이 전후 처리에서 대단히 중요한 문제라는 것은 바로 지금 말씀드리는 바와 같습니다. 앞으로 상당한 실업자가 양산될 것으로 예상하지 않으면 안 됩니다. 따라서 정부는 전후 대책으로서 실업 문제를 처리함에 있어서, 국민 생활의 안정과 함께 특별히 시설을 활용할 대책에도 만전을 기하고 있습니다. 당분간 농업 증산의 부분에 이 사람들의 노동력을 적극적으로 활용할 방도를 강구할 생각입니다.
새로운 교육 문화의 건설, 산업의 전환ㆍ복구는 원래부터 큰 사업입니다. 그 밖에 종전과 함께 당면 난제가 지금 산적해 있습니다. 이 문제들을 실수 없이 신속하게 처리할 수 있어야만 신건설을 향한 기초가 열리는데, 우리들의 향후 노력 또한 쉽지 않습니다. 정부로서는 원래부터 전력을 다해서 이를 신속히 처리 해결하려고 매진할 각오이지만, 이들 전후 대책을 원활하고 정확하게 할 수 있을 지 없을 지는, 전 국민이 궁핍함을 견딜 수 있는 생활 속에서 제대로 건설하겠다는 각오를 보여줄 수 있는 지의 여부에 크게 달려 있습니다.
우리들의 앞 길은 멀고 고난에 차 있습니다. 그러나 조서의 가르침을 받들었듯이, 우리들 국민은 굳건히 일본의 불멸을 믿고, 어떠한 사태에서도, 어디까지나 제국의 앞날에 대한 희망을 잃지 않고 끝까지 노력해야만 합니다.
황송하게도 조서에는 “짐은 항상 너희 신민과 함께 있다”고 교시하시고 있습니다. 이 고마운 성심에 감동하고 분발해서, 우리들은 더욱 결의를 새롭게 다지고 장래의 평화적이고 문화적인 일본의 건설을 향해 매진해야 한다고 믿습니다. 전 국민이 한 마음으로 융화하고 나라 전체가 한 마음으로 힘을 합쳐 부단한 정신과 노력으로 철저히 행하면, 저는 제국의 앞길은 머지않아 훤히 트이고 빛날 것임을 굳게 믿어 의심치 않습니다. 이렇게 해야만 비로서 폐하의 마음을 편하게 해 드리고 전선과 후방에서 산화ㆍ순직하신 수십만의 충혼에 보답하고 영령을 위로할 수 있을 것이라고 굳게 믿습니다.
データベース「世界と日本」
日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所
[出典] https://worldjpn.grips.ac.jp/